無限ピーマンは本当に無限か

無限ピーマンは本当に無限か

私の夫は数学者で、私たちは昨年結婚した。

数学っていうととにかくみんな「あー苦手だった」とか「できなかった」とか言われて、そのたびに夫は傷ついている。こないだも中学英語を学びなおしていたら例文に「Takuya doesn't like math.」と出てきて、数学の嫌われ具合がうかがわれた。たくやが数学嫌いって言っちゃうってことは「キムタクはきっと数学嫌いだろう」って思ってるに違いないこのテキスト作ったひと。とんだ偏見だ!

でも、ごめんなさい。私も数学ってさっぱりでした。高校に入ってついていけなくなった瞬間から考えるのを放棄して、テストも赤点ギリギリを狙って乗り切っていました。

それでも夫と結婚に至ったのは、他の趣味が合って、価値観が近かったからだと思う。

 

我が家では最近、ごはんは私が担当している。コロナの影響で二人ともずっと家にいるが、私の仕事は延期になり中学英語を学びなおしたりしている間も夫は家で仕事をしているので、私にも仕事を与えてほしいと申し出た。(でも何もしないのは嫌だといって朝ごはんだけ作ってくれる夫まじ神)

夫は私より料理ができて、しかも漫画『美味しんぼ』の大ファンでグルメ。毎日今日の料理の作り方をめちゃめちゃ細かく聞いてくる。そして「一つのコンロで味噌汁をつくりながら、もう一つのコンロでこの炒め物を作った後にフライパンをいったん洗ってから肉料理に取り掛かったんだねありがとう」と、ふたくちコンロで料理した私の料理の工程を理解し、大いにねぎらってくれる。ひかえめに言って夫最高大好き。

先日、夕飯に「無限ピーマン」なるものを作った。これは「無限に食べていられる」という意味で流行りの料理ネーミングだ。ピーマンだけでなく「無限ナス」「無限ゴーヤ」などそれこそ無限に出てくる。

夫は「これなんて言う料理?」と聞いてきた。夫は料理の工程も気にするが、料理の名前も聞いてくる。創作料理が多い私にとって結構困る質問で「わたし炒め」とか適当に答えることもあるのだが、今日はレシピを見て作ったから満を持して答えられるぞ!

私「これは無限ピーマンです!」

夫「ああ、やっぱり」

知ってたんかい!

夫「無限なんとかっていう料理、最近結構見かけるけど、地球上のピーマンは有限だから矛盾してるよ」

 

というわけで、我が家では「無限ピーマン」改め「矛盾ピーマン」と呼んでいます。